新谷和茂 日本基督教団 高砂教会
新谷和茂
52才(インタビュー時)
高砂教会
1988年卒
新谷さんとイエス・キリストとの出会いについてお聞かせ頂けますか。
生まれ育ったのはキリスト教とは全く無縁で、普通の日本の仏教の家庭で産まれた。家は船に乗って漁に出る漁師の家庭でした。自分自身は次男として生まれました。
物心がついた頃から、自分の目が斜視だと気付き始めます。周りの人からは言われるし、幼稚園で記念写真を撮ったのを見ると自分だけ斜め45°に傾いて映っている。自分は「出来損ないで産まれている」と思ったまま過ごしていました。
中学2年後半になってくると「自分は何のために産まれたんやろう、何のために生きてるんやろう」と言うことを考え始め、劣等感とともに自分の存在目的でなやみはじました。
教会に行くきっかけとなったのは、高校になったときに、友達が誘い続けてくれたことでした。私は1年間ほど断り続けたのですが、「教会に行ったら何かあるのかな」という期待が起こってきて門をたたきました。
そこで、聖書の話しを色々と聞きましたけどもヨハネ15章11節の「私はあなたを友と呼ぶ」という一節が非常に心に染みまして「そうか、このイエス・キリストという方が自分の親友となってくださって、人にはなかなか打ち明けられない心模様とか、悩みとかを聞いてくれるんだ、わかってくれるんだ」と思ってそれで信じる決心ができ、クリスチャンとなりました。親の反対とかはもちろんあったのですが、それでも押し切って洗礼を受けました。それが高校2年生のクリスマスでした。
高砂教会においては「聖霊派」のことで分裂もありました。聖霊派に反対の人達に「どうや、一緒に教会を出えへんか。」といわれましたけれども、私としてはそっちについていく気がしなかったので、高砂教会に留まりました。
今は、家族全員が洗礼を受けましてね、10年ぐらいかけながら、みんなクリスチャンになってくれました。その中で、「何のために生きているのかな」ということは、洗礼を受けてすぐに分かったわけでは無く、大学へ行ったりクリスチャンと交わったりしながら「献身」の道があるんだなと言う思いがおこってきたんですね。それで、大学を卒業してすぐ「献身」へと歩み出したんです。
なぜKBIを選んだのですか。
高砂教会は日本キリスト教団なので、関学や同志社の神学部へ行くのが普通だったんですけど、既に大学は卒業しているし、もう大学はええかな、というのもありましたし、信仰の質の上で聖霊を重んじると言う意味ではKBIがいいと言うことになりました。当時高砂教会にKBIから派遣神学生が一人来てたんです。その時の繋がりがあったことも一つの理由です。
入学時は、自分がどうなりたいと思っていましたか。
牧師を目指していました。入学に対して両親には強く反対されました。「行かんといてくれ」と大反対。
大学生3年生後半頃から牧師への道を歩みたいと思い始めました。一般就職するのか、牧師の道へ進むのか、祈り考え探っていました。インターネットもない時代でしたので、ホームページを見て検討することもできませんし、どんな学校が他にあるのかも分かりませんでしたが、「就職」か「牧師」かと悩んでいるときにみ言葉に押し出されて献身を決意しました。
大学時代KGK(キリスト者学生会)の活動をやっていたので、その主事や牧師に相談していました。「よう考えたたほうがええで、中途半端な献身したら信徒が困るで」と水をかけられたりもしましたが、最終的には自分と神様との間で決めて進むしか無いなあと思い決めました。
在学中の悩み苦しみはありましたか?
KBIで過ごしながら、「日本基督教団」の牧師になるための準備もしながらの神学生時代だったのですが、どっちつかずの生活をしたらあかんなと思いました。
自分の能力の無さと、牧師として生きていく責任の大きさを感じ「大丈夫かな」と考えたことがある。
日本キリスト教団とKBIの流れのギャップは無かったですか。
そんなに無かったです。日本基督教団はありとあらゆる信仰の立場を認めるというのが基本的な立ち位置なので、本人がしっかりとしていれば大丈夫。
KBIでの学びで喜びだったことを教えてください。
僕らの時代は国内のキャラバン伝道という活動があって、仲間と一緒に祈ったり活動することは非常に楽しかった。
共に生活する全寮制というのが一番の喜びじゃないですかね。その生活の中でお互いが鍛え合う、理解し合う、そういうことが出来たのは私にとっては大きな喜びでした。
僕らの時代は、「兵士としての鎧甲を着る前に、神の子としての自分を整える。」と良く言われたものです。卒業してから今までの間でも色々とありましたけど、そんなときに、全部やめてしまうんじゃなくって、もう一度「神に愛され受け入れられ、神によって立てられている。」そこに立ち戻って、もう一度鎧甲を着ることが出来るのは大きいと思います。
KBIを進めたいですか。
ボクの場合、日本基督教団ですが、KBIでいろんな教派の人と接することが出来ます。すると自分との色々な違い、祈り方、用語、色々違うのを体験して欲しい。全寮制の中から生活そのものを学んで欲しい、それとともに、教師となるための「幅」を学んで欲しいと思います。
KBIに一言お願いします。
十字架と聖霊と宣教 これを更に貫いて、世界宣教に向けて貢献する神学校でありつづけてほしい。
本日はありがとうございました。
インタビュー制作:トゥルース